一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2P-34
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ポスターセッション 5月12日
小学生と大学生の食に関するオノマトペに対する印象について
*植田 郁美村上 陽子
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キーワード: オノマトペ, 食育, 言語力
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抄録

【目的】 食べ物のおいしさは,食材の味,香り,色,形,テクスチャーなど化学的・物理的要因により構成されており,五感すべてで感知される。五感の中でも,「触覚」は口中や舌で知覚されるものが主であり,結果として生じる感覚を「食感」と呼ぶ。食感には,食べ物の硬さ・粘性・歯切れなどのテクスチャーや温度が関与している。テクスチャーは食物の美味しさに関わる重要な因子であり,それを言葉で表現したものがオノマトペである。オノマトペは種類も多く,表現も多彩であり,食品に対する感覚特性を客観化する際の有用な情報である。しかし,オノマトペは幼く子どもっぽいというイメージから,教育現場であまり重視されていないのが現状である。そこで,本研究では,小学生と大学生の食に関するオノマトペの印象を調査し,世代間の相違を検討する。これにより,食におけるオノマトペの重要性を明らかにし,五感で感じたことを「言葉で表現する」スキルの手がかりとする。さらに現在充実が求められている「言語活動の充実」のための教材開発の一助とする。
 【方法】 静岡大学附属静岡小学校5・6年を対象に,アンケート調査を行なった。55語のオノマトペについてオノマトペに対する印象を「おいしそう・まずそう・どちらでもない」のいずれかを選択してもらった。また,大学生を対象として行なった調査結果と比較し,相違を検討した。
【結果】 小学生と大学生と比較した場合,「おいしそう」な印象を持つ用語は,大学生よりも小学生の方が多く,「まずそう」な印象を持つ用語は大学生の方が多かった。「食べた時の感覚を表現する」用語として認知されている用語においても,印象についての認識が異なる用語があることが示唆された。

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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