一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2P-20
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ポスターセッション 5月24日
豆乳と米粉を複合化させたスポンジケーキの調理特性
*辻 美智子小笠原 美穂早川 あつ美藤井 恵子
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抄録

目的 食物アレルギーの主要原因食物とされる鶏卵、牛乳、小麦を使用しないケーキの開発をめざし、卵白の泡沫の代わりに豆乳の起泡性に着目した。本研究では、豆乳と米粉を複合化させたスポンジケーキの調理特性について検討した。
方法 豆乳泡沫ケーキは豆乳、米粉、グラニュー糖を原料とし、豆乳を撹拌し米粉と混合して調製した。なお、米粉は澱粉損傷度の異なる3種類を用いた。コントロールは豆乳の代わりに卵白を起泡させた卵白泡沫ケーキを調製した。米粉の粉体特性はタンパク質含有量、粒度分布、澱粉損傷度、吸水性、生地の特性は動的粘弾性、豆乳の泡沫特性は顕微鏡観察、そしてケーキの特性は比容積、破断特性を測定し、官能評価により嗜好性を調べた。
結果 豆乳泡沫ケーキは、卵白泡沫ケーキよりも比容積が低くなり、膨化が小さくなった。また、米粉の澱粉損傷度が小さいほど比容積は大きくなる傾向を示した。生地中の気泡分散状態の顕微鏡観察では、豆乳泡沫の平均気泡径が大きくなるほど、ケーキはやわらかくなった。さらに、豆乳泡沫ケーキでは澱粉損傷度が中程度の米粉を使用すると、初期弾性率、かたさが有意に減少し、官能評価においても、やわらかく、しっとりとしていると評価された。豆乳と米粉を複合化させることによって、食物アレルギーの主要原因食物を使用せず、良質なタンパク質を含んだ嗜好性の高い含泡食品を調製できることが示された。

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