一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 3P-19
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ポスター発表 5月24日 食物
あごだし調理による鶏肉団子の脂質酸化抑制効果に関する検討
*萱島 知子古賀 有貴中島 公大伊豆 英恵冨永 美穂子
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抄録

【目的】トビウオをだし素材とするあごだしは、九州北部の伝統的なだしである。一般に広く用いられている鰹だしは強い抗酸化効果を示し、料理での脂質酸化抑制が報告されている。これまでに我々は、あごだしも抗酸化効果を示すこと明らかにした。本報告では、あごだし調理による抗酸化効果を検討するため、あごだし添加の有無による鶏肉団子の脂質酸化に及ぼす影響を比較した。また、だしのアミノ酸含量と褐色度の測定により抗酸化効果に寄与する成分を検討した。
【方法】あごは長崎県産の焼き・煮干しあごを用い、重量の50倍量の超純水を加え、だし抽出を行った。鶏肉団子はもも挽肉100 gに対して焼きあごだしを15 ml加え調製し、冷蔵(4℃)・冷凍(−20℃)保存した。抗酸化性は、あごだし及び肉団子摩砕試料のTBARs値を測定した。全自動アミノ酸分析機によりアミノ酸含量を、440nmの吸光度により褐色度を測定した。
【結果】肉団子を冷蔵保存(5日間)した場合、だし無添加と比べあごだし添加試料のTBARs値は有意に低かった。冷凍保存(31日間)した場合も、あごだし添加試料のTBARs値は有意に低く、この値の低下は試料を加熱調理した場合にもみられた。あごだしは調理で抗酸化効果を発揮し、特に冷凍・冷蔵保存での脂質酸化の抑制に有効であることが示唆された。また、あごだしのTBARs値は、ヒスチジン含量と負の相関、褐色度と正の相関がみられた。

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