抄録
目的 現在、高齢人口の最大のボリューム層となるのは60歳代で、今後の超高齢社会を先導する役割を担っている年齢層である。その年齢層の衣生活における志向や行動とはどのようなものなのか。本報では、60歳代女性の衣生活における意識と実態を明らかにすることを目的とする。
方法 近畿・九州地区に在住する60歳代の女性139名を対象に、2015年1~3月に質問紙による調査を行った。調査内容は年齢、仕事の有無、外出頻度、余暇活動の頻度、衣服の購入方法、外出着購入時の重視内容、衣生活に関する意識である。
結果 (1)外出着購入時には、衣服が当然保持していなければならない性能として「動きやすさ」「サイズ適合」「取り扱いやすさ」などが特に重視されていた。さらに嗜好や価値観にかかわる「似合う」「コーディネート可能」「体型カバー」なども重視されていた。(2) 仕事の有無と衣生活意識との関連が認められた。仕事の有無2グループ間の有意性のt検定において24項目中危険率1%で4項目、危険率5%で4項目について有意差がみられた。有意差がみられ、そして有職者の方がより肯定的に回答していた項目は「自分の個性やイメージにあった服装」「皆に好感がもたれるような服装」「場所柄をわきまえた服装」「レンタル衣装を用いる」「流行遅れの衣服は着たくない」などであった。外出頻度、余暇活動の頻度と衣生活意識との関連も認められた。