一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2I-02
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口頭発表 5月28日 被服
編布を用いた新生児肌着のしっとり感
*末弘 由佳理鋤柄 佐千子
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抄録

目的 新生児肌着は多数のメーカーが取り扱っており, いずれもパターンや縫製に大差はないが, 使用している布地や価格は様々である. 本研究では, 数種の新生児肌着を試料として布地及び価格と「しっとり」との関係を明らかすることを目的とする.
方法 日本の子供服ハイブランドである2社の新生児肌着, 子育て経験者評価による上位3位の新生児肌着, オンラインショップ売れ筋ランキング上位7種の中で最も「しっとり」の強い試料1種1) の計6種を試料とした.
(1) 女子大生20名を対象に, 順位法により, 「しっとり」「肌触りのよさ」「やわらかさ」「あたたかさ」「なめらかさ」について官能検査を実施した.
(2) KESシステムにより, 表面特性(表面摩擦抵抗, 摩擦係数), 圧縮特性, 曲げ特性, せん断特性, 引っ張り特性, 最大熱流束qmax, 通気抵抗を測定した.
結果 官能検査の結果, 順位(全項目)に1%水準の有意差が認められた. 最も「しっとり」を強く感じた試料は「なめらかさ」「やわらかさ」「肌触りの良さ」においても強い感覚を有していた. 物性との関係は, 圧縮仕事量の値が高いほど, 「しっとり」が強く, 圧縮やわらかい肌着が「しっとり」を強く備えているという結果であった.
[文献]1)末弘由佳理, 鋤柄佐千子;日本家政学会関西支部 第37回研究発表会要旨集2015, 12
※本研究は文部科学省科学研究費若手研究B(課題番号25750019)の助成を受け, 実施した.

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© 2016 一般社団法人 日本家政学会
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