一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-139
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ポスター発表 5月28・29日 震災・福祉
日本とデンマークの介護システムの比較
*水谷 千代美矢羽田 明美
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抄録

目的
 我が国は高齢化が急速に進み、高齢者を受け入れる施設、医療現場の人材不足、社会保障費の増大、介護負担の増大などの問題が山積している。日本は先進国の中でも幸福度は低く、デンマークやスウエーデンのような福祉先進国は幸福度が高く日本の抱える高齢化の問題点をいちはやく解決してきた。また、福祉先進国は寝たきり高齢者人口が日本の10分の1であり、介護者の負担の軽減を考慮した介護器具の開発も進んでいる。このような背景から、我々は日本とデンマークの介護制度や介護用品について現地で調査を行った。
方法
 調査は、2015年9月にデンマーク王国ロスキレ市高齢者ケア施設(Localcentret Bernadottegarden)、社会・保健学校(ケアスタッフ養成校:Social og Sundhedskole)、介護器具を作る補助器具センター((Roskilde Kommunes Hjælpemiddelafsnittet)および補助器具を認定するデニッシュスタンダードなどを訪問し、高齢者福祉システム、高齢者自立の取り組み、高齢者の残存機能と介護用品の種類、介護用品の認定についてインタビュー調査を行った。
結果
 デンマークは市の判定委員会が高齢者の身体機能を調べ、高齢者へのサービス内容を決定し、実際の介護はサービス提供者が行っていた。市の判定委員会、サービス提供者、利用者の三者が連携して行う制度であった。高齢者が残存機能を活かし、介護者に負担がないように、デンマークは高齢者をベッドから車椅子に移動するリフトやアームレストやフットレスト着脱可能な介護用椅子などが使われていた。

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© 2016 一般社団法人 日本家政学会
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