一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2I-04
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口頭発表 5月28日 被服
演題情報編成条件の違いによる編地の硬軟性、伸長性への影響
*柚本 玲沖 若菜
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抄録

目的
現在の衣生活になくてはならない編地の生産現場では、現場技術者の経験により、その編成条件や仕上条件が決められてきた。そのため、これらの条件と性能値の関係は明らかになってこなかった。そこで本研究では、編成条件のうち度目(編目の引き込み量)を変え、同時に仕上条件を変えた場合の、編地の外観、硬軟性、伸長性について比較した。
方法
編地は毛100%の天竺編とした。これを10ゲージ横編機(SWG-091N)にて、3種類の度目で編み上げた。度目は熟練技術者により10ゲージ風合いとして適切と判断された55(以下適切)、編成可能な限界である30(以下密)と80(以下粗)とした。これらをターゴトメータにより60 rpm、120 rpmでそれぞれ5及び10分間洗浄した。これらについてJIS L1096に準拠し、硬軟性(ハンドルオメータ法)を、伸長特性(グラブ法)を測定した。
結果及び考察
度目が適切な編地は、表面に畝が見られず、編目の形が整っていた。一方、粗の場合、編目の形が不揃いで編目の並びがよれていた。また、密の場合は編目がよこに引かれ編目の形がひずみ、表面には横畝が現れた。また適切な条件で洗浄すると編目が整うが、機械力や洗浄時間が大きくなると、フェルト化が生じた。またフェルト化は粗な編地で顕著であった。硬軟性を見ると、度目が小さくなるほど硬くなった。また伸長性では、密では伸長が非常に小さく、粗では伸長が大きく、かつ残留する変形が大きく回復が悪くなった。

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