主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第68回大会
回次: 68
開催地: 金城学院大学
開催日: 2016/05/27 - 2016/05/29
目的:高齢になるにつれ、歩行時に転倒が生じやすくなる。その原因として、着床時に足趾が上がっていないことが指摘されている。本研究では、快適なつまずき予防靴下の設計における基礎的な指針を得るために、まず高齢者の歩行動態を若齢者と比較しその特徴を明らかにすることを目的として、動作解析および筋電図解析を行った。
方法: 20歳代女性8名、高齢女性10名(60歳代2名、70歳代6名、80歳代2名)を被験者として、歩行実験を行った。床面にカーペット(パイル部:BCFナイロン100%、基布:ポリプロピレン100%)を敷き、5m歩行させた。その時の歩行動態を収録するとともに、歩行タイムと歩数を記録した。また、右足踵接地から同じ脚の次の踵接地までを1サイクルとして動作解析を行い、膝関節、足関節、足指関節の角度、角速度 、角加速度を算出して検討を行った。また、大腿直筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋外側、腓腹筋内側の計5か所の筋電図を測定した。
結果:足関節の角度、角速度の結果から、加齢とともに底背屈運動が弱まることが明らかとなった。年齢と歩数の関係では、加齢とともに歩数が多くなり、ストライド長が短くなる傾向がみられた。この傾向は、特に70歳以降で顕著であった。また、筋電図についても若齢者と高齢者との相違について明らかにすることができた。