一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2I-06
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口頭発表 5月28日 被服
衣生活領域における素材の学習に役立つ教材の検討
カルテットゲームの作成と中学校での授業実践を通して
*中谷 文香加賀 恵子澤渡 千枝
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抄録

【目的】中学校学習指導要領解説技術・家庭編では衣服選択や手入れのために、素材の性質を理解し表象できることが求められている。教科書ではそれらに役立つ写真やグラフ、実験等の記載はみられない。そこで、衣服素材の性質理解や表象できる能力育成のため、衣服素材の性質を反映させた繊維キャラクター及びそれらを用いたカードゲームの考案と授業実践を行った。
【方法】対象繊維は綿、羊毛、絹、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリルの7種とし、キャラクター化した。考案の視点として繊維の分類や性質が分かりやすいこと、同じ分類や性質をキャラクターに相関を持たせて反映することの2点を重視した。キャラクターの外見に示す性質は、①理解しやすい性質、②生徒にとって体験を伴う性質、③手入れ時に考慮すべき性質の3観点から選定し、5つの性質(吸水性、吸湿性、速乾性、耐紫外線、耐塩素系漂白剤)とした。なお、手入れ時の注意点(耐紫外線、耐塩素系漂白剤)は該当繊維のみに表すこととした。
【結果】7種の繊維キャラクターを考案し、それらを用いてカードゲーム「カルテット」を作製した。カードは繊維ごとに設定する4枚の項目は「原材料」、「汗の吸いやすさ」、「乾きやすさ」、「手入れのしやすさ」とした。中学生に対する授業実践では、キャラクターは「かわいい」、ゲームのルールは「分かりやすい」と、好意的に受け止められ、8割以上の生徒が「楽しく学べる・面白い」と答えた。

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