一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2J-02
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口頭発表 5月28日 家政教育
小学校家庭科における「ごはんとみそ汁」の教育内容に関する検討
*青木 香保里日景 弥生志村 結美
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抄録


【目的】わが国は、平均寿命が世界上位に位置する一方で、健康寿命との間に10年前後の開きがあり、健康寿命をめぐる概念の普及や実践の必要が指摘されており、小学校家庭科の課題として検討が課題といえる。本研究では、1947年学習指導要領(試案)が示されて以来、現在まで小学校家庭科教材として位置づけられてきた「ごはんとみそ汁」に注目し、健康寿命に関する認識と技能の獲得を目指す教育内容について検討することを目的とする。

【方法】1.健康寿命、なかでも減塩に関する文献の検討、2.小学校家庭科教科書および小学校学習指導要領「家庭」の記述をめぐる検討、3.小学校家庭科教科書に記載されている「ごはんとみそ汁」に関する調理実験として、1)予備実験、2)みその違い<米みそ、豆みそ>に着目した対照実験、3)みそ汁の調理人数分の違い<1人分、4人分>に着目した対照実験を実施した。

【結果および考察】1.「健康寿命」「減塩」をめぐって、WHO、厚生労働省が示す目安と各種調査結果が示す塩分摂取量には倍近い差が存在しており、「減塩」が緊急の課題であることが把握できた。2.小学校家庭科教科書および小学校学習指導要領の記述をみると、「健康寿命」「減塩」などに関する記述は殆ど見当たらず、不十分であることが把握できた。3.各調理実験から「みそ汁」の「使用材料」や「調理手順」などには改善すべき課題が多く、「みそ汁」をめぐる教育内容の再検討の必要が示唆された。

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