一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2J-04
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口頭発表 5月28日 家政教育
家庭科住居領域の指導の実態と課題
-教員対象の調査から-
*速水 多佳子
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抄録



目的 住居領域は家庭科で扱う他の内容と比較して、指導の困難さなどから扱いが低調であることが指摘されている。しかし、住まいは生活の器であり、生活を営む上で基礎的な知識は必要である。小・中・高等学校を通して、家庭科の授業時数が少ないという状況の中で、効果的な指導をしなければならない。そこで,現行の学習指導要領に基づいた指導において、学校現場における住居領域の指導の実態を明らかにし、今後の指導を充実させていくための手がかりを得ることを目的とした研究を行った。
方法 住居領域の指導の実態を把握するため、A県下すべての中学校84校と高等学校42校の家庭科教員を対象にアンケート調査を行った。調査内容は、家庭科教員の属性、住居領域の指導(指導内容、指導上の課題等)についてである。調査期間は2015年2月~3月である。回収数は中学校43票(有効回収率51.2%)、高等学校22票(有効回収率は52.4%)であった。
結果 回答者の40歳代以上の割合は、中学校約8割、高等学校約7割であった。家庭科の得意な領域は、中学校は食物、被服、高等学校は食物が多かった。住居領域の授業時数の平均は、中学校6.9時間、高等学校「家庭基礎」5.3時間であった。中学校、高等学校の教員ともに生徒の住居領域に対する興味・関心は低いと考えており、中学校よりも高等学校の教員の方が、実習や演習ができる教材や資料を望んでおり、授業で活用したいと考えていることがわかった。

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