一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2J-06
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口頭発表 5月28日 家政教育
高校生の生活力認識と家庭科教育
*室 雅子上野 顕子小川 裕子吉原 崇恵
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キーワード: 生活力, 家庭科教育, 高校生
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抄録

目的:生活者として生きる為に必要な力を「生活力」とし、これまで生活力と家庭科の関わりについて高、大、一般及び外国で調査を実施してきた。本研究ではH11学習指導要領最後の生徒に、身についていると認知する生活力と家庭科への期待、本人の生活課題認識を明らかにし、普通科と専門科の比較も試みた。
方法:高校3年生を対象に調査を実施した。調査時期は26年8月~翌年2月、対象者は愛知県内の高校(専門科)、高校(普通科)各1校である。
結果:全体に「できている」「知りたい」「家庭科で学習すべき」の3視点ともに認識割合が前調査より少なかった。 “実践できている”と認識している上位項目は前調査より自分に関する項目が多く、多様性への対応や喫煙・飲酒・薬物問題の実践意識が少なかった。“もっと知りたい”と認識している上位項目には、今回「金融」「養子」「異性交際」「健康な食事」など前調査には上位に無い項目があげられ、地域や異文化コミュニケーションや、仕事・雇用、将来計画等が順位を下げた。“家庭科で習うべきこと(期待)”と認識する項目は変化があまりなく家庭科に期待されている課題は継続していた。普通科生と専門科生で「もっと知りたい」という回答割合の比較では、9割以上の項目で専門科生が上回っており家庭科をより深く長く学習した生徒ほど学習意欲が高い反面、普通科生は「できている」という項目が多く、できると過信している様子が懸念された。

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