一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2J-07
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口頭発表 5月28日 家政教育
児童の家庭での仕事分担の実態と家庭生活,生活技能,自尊感情
*黒川 衣代豊成 加奈
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抄録

目的 子どもを取り巻く社会環境の変化の中で,自分に対して自信のない子どもや将来に対して夢や希望のもてない子どもの増加が指摘され,「生きる力」とかかわる自尊感情の育成が重要な教育課題となっている.本研究では,近年,子どもの人格形成に大きな役割を果たすと言われている「家庭の仕事の分担」に注目し,児童の家庭での仕事の分担の実態を明らかにするとともに,家庭生活への興味・関心,保護者の反応,生活技能,自尊感情との関連を調べる.
方法 質問紙調査を2014年11月中旬~下旬に,N市のA小学校5・6年生を対象に実施し,101名から回答を得た(回収率100%).調査内容は,基本属性,家庭生活への興味・関心,家庭の仕事の分担の実態,保護者の反応,生活技能,自尊感情である.回答者の学年は5年生43人(42.6%),6年生58人(57.4%),性別は男性45人(44.6%),女性55人(54.6%),不明1人(1.04%)であった.
結果 児童の90%以上が家庭で何らかのお手伝いをしていた.女子は「自分から進んで手伝いたいから」お手伝いをするのが多いが,男子は「褒美がもらえるから」という理由が多かった.保護者にお手伝い時に褒めてもらう,感謝してもらう,あるいは報酬をもらう児童は,家庭で分担している仕事を続けていきたい割合が高かった.褒美がもらえるからという理由でお手伝いをするより,進んで手伝いたいからお手伝いをする児童の方が,生活技能や自尊感情が高かった.また,家庭生活への興味・関心,生活技能それぞれと自尊感情の関係性が認められた.

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