一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3C-09
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口頭発表 5月29日 健康・震災・福祉
開閉行動を補助するカラーユニバーサルデザイン(2)
―「開ける」表示と色彩の関係について―
*内藤 章江大澤 香奈子小町谷 寿子石原 久代橋本 令子
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抄録

目的 行動と色には結びつきが見られ,色を利用し生活行動を助けることはユニバーサルデザインを考えるうえで有用と考える.昨年度は生活行動の中でも最も多い開閉行動の種類を明らかにし,その分類を行った.今年度はその結果を展開し,「開ける」表示と色彩の関係性を呈示実験により検討した.
方法 昨年度の結果をもとに「ペットボトル」,「ハンドクリーム」,「エレベーター」の3アイテムを取り上げ,「開ける」行動を促す「記号(矢印)」と 「文字(あける,ひらく)」の表示を用い,文字のみ,記号のみ,文字と記号を組み合わせた3パターンを付与し,さらに色情報(背景色:W,文字・記号色:v2,v8,v12,v18,lt2,lt16,Bkの計7色)を与えて計63試料を作成した.これを女子大学生252名に呈示し,10段階で「開ける」行動のわかりやすさを評価させた.評価結果の分析には単純集計,多変量解析を用いた.
結果 各アイテムともに,「文字のみ」よりも「記号のみ」の方が「わかりやすい」の評価は高く,さらに「文字のみ」,「記号のみ」よりも「文字+記号」の方がその傾向は顕著となった.いずれのアイテムもv8(鮮やかな黄)の得点は低く,ペットボトルではv2(鮮やかな赤)とlt2(明るい赤),ハンドクリームとエレベーターではBk(黒)とv18(鮮やかな青)において得点が高くなり,アイテムにより「開ける」表示と色彩の関係性は異なることがわかった.

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