主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第68回大会
回次: 68
開催地: 金城学院大学
開催日: 2016/05/27 - 2016/05/29
目的 子どもと定期的に関わる経験の有無や就職選択の際何を重視したかということが、就職しての1年を振り返った際に感じるものにどのような違いをもたらすのかを明らかにする。
方法 東京近郊の保育者(幼稚園教諭・保育士)のうち、アンケート実施時点で1年目を終えた初任保育者を対象に、郵送によるアンケート調査を実施した。調査期間は、20XX年3月~4月。回収数は195名(回収率37.5%)。そのうち1年目以外の保育者からの回答を除くと、有効回答数は165名であった。分析にはSPSSを用いて、記述統計、χ2検定、分散分析を行った。
結果 分析の結果、1年目を終えた時点で子どもと定期的に関わる経験がある群とない群を比較したところ、養成校時代の学びを通して感じていることに差異はなく、どちらもある程度自己の学びを評価していることが分かった。しかし、子どもと定期的に関わる経験がある群とない群で就職しての1年を振り返ってのことを比較したところ、子どもと定期的に関わる経験がある群の方が葛藤や困難が大きいことが分かった。また、就職選択の際、保育観を重視した群の方が給料や通いやすさを重視して選んだ群より、やりがいや楽しさを感じていた。一方、給料や通いやすさを重視して選択した群の方が保育観を重視して選択したグループより、園の保育方針や他の保育者の子どもへの関わりへ疑問を感じており、保育者間の関係性や連携に課題があると考えていることが分かった。