一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2H-03
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口頭発表 5月27日 食物
マイクロバブル化したオゾンによるカット野菜の品位保持効果
第2報 洗浄殺菌と野菜低損傷の両立
*戸板 翔佐藤 昌裕戸堀 悦雄矢野 傑久保園 隆康
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抄録

背景
近年、カット野菜は、野菜摂取の簡便性、調理時間の短縮、種類の充実にともなって需要が伸びている。そこで、洗浄法の違いがカット野菜の品質に与える影響を評価することとした。第1報では、マイクロバブルオゾン(MiBO)が千切りキャベツの鮮度に与える効果を評価し、主流の次亜塩素酸Naに対して、色、臭気、食感に優位なことを報告した。本報では、MiBO洗浄法が野菜細胞に与える影響を評価し、鮮度に現れる違いを考察することとした。
方法
キャベツは、細胞観察が可能な厚さ300 μmの切片とし、各洗浄液に10分浸漬後、水道水で90秒すすぎ、0.4 w/v%のトリパンブルー色素を用いて死細胞を判定した。洗浄液は、水道水、有効塩素濃度50 ppmとなるpH6.5の微酸性次亜塩素酸水を、MiBO水はオゾン濃度0.5 ppmに調整して用いた。
結果
水道水で洗浄したキャベツはほぼ全ての細胞が生存し、高い生細胞率を示した。生細胞率はMiBO水で水道水と同等の水準であったが、微酸性次亜塩素酸水では著しく低下した。細胞の色素呈色は、本来は色素を透過しない細胞膜が、洗浄による損傷を受けて色素を透過するようになることを意味する。このことから、MiBO水では細胞膜への損傷が水道水並に低い水準に抑えられていることが分かった。また洗浄による細胞膜の損傷が小さいMiBO水は、細胞内の成分を保持して鮮度を保つことも分かったので併せて報告する。

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