一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2J-03
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口頭発表 5月27日 被服
暑熱環境下におけるクーリング方法が体熱放散に及ぼす影響
市販クーリンググッズを中心に
*坂下 理穂諸岡 晴美
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抄録

目的 地球温暖化に伴い、猛暑日が全国各地で記録される中、2020年夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。選手のみならず、試合の観戦者やサポータ等の熱中症対策が必要となる。本研究では、暑熱環境下においてクーリング方法が体熱放散に及ぼす影響を市販のクーリンググッズを中心に検討した。
方法 市販クーリンググッズとして、吸水ポリマーの入った細長い袋を十分に吸水させてネックに巻く方法(試料A)、小型ファンが取り付けられた上着を着用する方法(試料B)のタイプの異なる2種を実験に用いた。さらに、試作したアームカバーを着用時にスプレーで湿潤させる方法(試料C)を追加した。20歳代女性6名を被験者として、簡易型人工気象室内(28±1℃、45±5%)にて実験を行った。10分間安静後、クーリンググッズを装着してトレッドミル上を17分間歩行、20分間安静を保った。その間の発汗量、深部温、熱流量、心電図および主観評価を測定した。
結果 発汗量は試料A装着時に最も多いことがわかった。深部温において、試料Aは歩行終了後の深部温が上昇した後に回復期で低下したが、試料Cでは上昇せずに低下し、試料Bは装着後に深部温が大きく低下した。試料Aおよび試料Cは装着した部位の皮膚が冷却され、熱流量が上昇し、試料Bは対流の吐口である後頸部で熱流量が大きかった。心拍数において、試料Bの変化量が試料の中で最も小さいことがわかった。

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