一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 3D-03
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口頭発表 5月28日 環境・福祉
防災訓練を核とする安全教育構築の可能性についての一考察
*田中 美津代工藤 由貴子
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キーワード: 防災訓練 , 安全教育, 中学生
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抄録

目的:人が生涯にわたって安全に生活するためには、人の一生を見通す視点で、それぞれのライフステージに応じた教育や訓練が必要である。本研究は、中学生が世代を繋ぐ軸となって行う防災訓練と、それを核とする安全教育構築の可能性について検討する。

方法:3つの方法を用いた。1つ目の文献調査では、 防災訓練の法的論拠、安全を守る活動に関する先行研究の整理を行い、2つ目のアンケート調査では、中学生の防災訓練に対する態度や安全に関する意識を明らかにした。3つ目には、中学生が軸となって行われている防災訓練の事例調査である。

結果:文献調査から、防災訓練の法的論拠は消防法と災害対策基本法に分かれており、人の一生を通した視点でみると、訓練を受ける義務や訓練の内容等について一貫性がなく、どこで生活するかによって安全を守るための体験が異なること、また、学校教育の枠を超えて、ライフコース全般にわたる防災に関する学習の可能性も明らかになった。2つ目に行った中学生の意識調査からは、避難訓練を生活や考え方につなげていた生徒が、日常生活でも安全に生活するための工夫を行っている等、避難訓練と安全に生活するための工夫の関連性が見出せた。中学生にとって防災訓練が安全に関する関心や意欲を高めていることがうかがわれた。  また、事例調査を通じて、日本の各地で、中学生が中心になって、学校の枠を超えた地域の防災訓練を遂行する好実例を見出すことができた。

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