一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2F-04
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口頭発表
硫酸および機械処理によるタンパク質繊維材料の消臭性の向上
*稲垣 サナエ牛腸 ヒロミ小見山 二郎
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抄録

目的 タンパク質繊維の再利用ために、羊毛、絹、羽毛の3種類の繊維のアンモニア(Am)と酢酸(Ac)の消臭性を、表題の二つの処理で向上させ、活性炭を越える性能を得ることを目的とした。
方法 ①硫酸処理 60℃の10%硫酸で約3時間処理して試料の30%を溶解し、残った70%の固体を良く水洗し、50倍の純水に一晩浸けてpHが7.0±0.5になるまで.水を取り替えたのち、自然乾燥した。②機械的処理 30,000 rpmのブレンダーで5分間処理したのち、①と同様に水で処理して、中性を確かめた。③硫酸処理の後ブレンダー処理をして、同様に中性を確かめた。未処理および①、②、③の処理をしたタンパク質繊維の0.05gを2Lのテドラーバッグ中に置き、115および145ppmのAmとAcの残存率をガス検知管法を用いて、時間的に追跡した。得られた消臭曲線から初速kと、5時間後の平衡残存率からの消臭容量C、(μmol/g)を算出し、試料の消臭性能を評価した。
結果 羊毛によるAmのCは①②の処理により、未処理の場合より約10%大きくなったが、③の処理により未処理のもののCより、約2.4倍大きくなり、化学用活性炭のCを10%ほど越えた。またAcのCは②の処理により、活性炭のCとほぼ等しい値になったが、③の処理ではそれより約20%小さくなった。絹、羽毛について、同様の処理をした結果を合わせて報告する。

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