主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
【目的】タオルの性能として重要な吸水性と、肌ざわりに関する圧縮率及び圧縮弾性率に及ぼす市販柔軟仕上げ剤の影響を、柔軟仕上げ剤の種類、濃度、洗濯回数の面から検討した。さらに、女子大生を対象とした官能評価から柔軟仕上げ剤が人の気持ちに及ぼす効果を考察した。
【研究方法】市販タオルを所定の条件で洗濯し、仕上げに6種類の市販柔軟仕上げ剤を使用して試料を作製した。洗濯回数は1回と10回、柔軟仕上げ剤6種の濃度を変化させて、吸水高さ、吸水速度、圧縮率、圧縮弾性率に及ぼす柔軟仕上げ剤濃度の影響を検討した。さらにSD法により、各種試料の香りの官能評価を行った。
【結果・考察】洗濯回数1回試料では柔軟仕上げ剤濃度を標準濃度の3倍にすると吸水性が低下するものがあった。洗濯回数10回試料では、標準濃度の3倍で、すべての柔軟仕上げ剤の吸水高さが低下した。肌ざわりと関係する圧縮率と圧縮弾性率と柔軟仕上げ剤濃度との関係に関しては、ほとんどの柔軟仕上げ剤において、濃度が高くなるほど圧縮率は高くなった。圧縮弾性率に関してはほとんど濃度の影響を受けなかった。官能評価の結果から、柔軟仕上げ剤使用試料は香りの種類を問わず、品がある、気分が休まる、快い、好きと評価する人が多いことが明らかになった。さらに、柔らかい、軽やかななどの評価は、圧縮率、圧縮弾性率の結果と整合性があった。