一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2F-06
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口頭発表
確率密度関数法によるタンパク質洗浄における酵素処理効果の分析
*大矢 勝
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抄録

目的

タンパク質汚れの洗浄にプロテアーゼが有効であることは良く言われているが、どの程度のレベルで汚れ除去に寄与するかについては明確にはされていない。そこで本研究では我々のグループで開発してきた確率密度関数法を用いてタンパク質汚れの洗浄に及ぼす酵素処理の効果について検討した。

方法

スライドガラスにヘモグロビン溶液を滴下し、オープンで水蒸気加熱したものを試料として用いた。これを水、弱アルカリ水、酵素液にいて一定時間浸漬し、その試料をpH10に調整した界面活性剤水溶液で洗浄した。残留汚れをNaOH水溶液で抽出し、Lowly法で呈色し、分光光度計で吸光度を測定して洗浄率を求めた。時間を変化させて得られて洗浄率を確率密度関数法で処理して洗浄力パラメータσとμを求めた。

結果

30℃での酵素処理は顕著な効果は見られなかったが、40℃と70℃では酵素処理で顕著な効果が見られた。特筆すべきは酵素処理を行うことでタンパク質汚れが一定量除去されるとともに、残留汚れも除去されやすい形態に変化するということが確認できた点である。また、酵素処理が比較的短時間でも有効であることも分かった。タンパク質の分子量低下効果が汚れ除去性を高めているものと考えられる。

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