一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2F-11
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口頭発表
動作の分類からみた3歳児の着脱の特徴
*高橋 美登梨川端 博子一戸 玲美
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キーワード: 着脱, 3歳児クラス, 動作, 分類
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抄録

【目的】3歳児における着脱の特徴について,前報では保育者の援助(内容と回数)と所要時間より考察した。本報告では,着脱に関わる動作の分類より特徴を捉えることを目的とする。
【方法】埼玉県内の幼稚園3歳児クラスの20名(男児10名,女児10名)を対象に2016年6月~2017年2月に計15回の観察調査を行った。観察は登園後の着替えの場面とし、通園着から園内服への着替えの様子をビデオカメラで撮影した。録画した画像より,動作をパターン化した。
【結果】脱衣をパターンに分類したところ,ゆとりの少ないかぶり型衣服(ポロシャツ・カットソー)は,腕から抜くという特徴がみられた。前あき衣服(カーディガンやブラウス)は背面で腕を抜く場合が多いが,かぶり型と同様に最初に腕を抜く動作を行う対象者もいた。また,少数ではあったが,前あき衣服の腕を抜く動作を背面ではなく前面で行う例や,ベストの脱衣において手を脇に入れる例が観察された。脱衣を行う中でそれぞれの幼児が脱衣しやすい動作を模索しながら動作を行うため,さまざまなパターンが出現すると考察される。着衣のパターンは,左右いずれかの手から袖を通すパターンと衣服を背中に回してから袖を通すパターンの2種であった。動作の過程において衣服の形態を確認してから動作を開始する様子が観察されたことから,3歳児では形態を理解した上で動作を行うことが課題のひとつであるといえる。

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