一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2K-02
会議情報

口頭発表
思春期、青年期における多次元摂食障害傾向尺度の検討
*板東 絹恵北畑 香菜子上田 留莉
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】摂食障害は思春期、青年期に発症することが多く、歪曲した認知や食行動から、心身の成長発達が妨げられる。そのため本研究では、摂食障害のリスクのある者に対し、早期のアプローチに役立てる多次元の尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。【方法】調査期間は201X年7月~201Z年12月。調査対象者は男女高校生と大学生798名(16.5±1.6歳)であった。うち119名へは、4週間あけ本尺度を再度実施した。調査に用いた質問紙は、新たに作成した多次元摂食障害傾向尺度、食行動問題を見るためのEAT-26+EDI、自尊感情尺度であった。【結果】因子分析の結果、25項目4因子からなる多次元摂食障害傾向尺度を作成した。クロンバックのα係数は、25項目合計がα=.893、「体型や摂食へのとらわれ」「自己に対する不満足感」「高エネルギー食の制限」「他者への気遣い」と命名された下位尺度はα=.878~.721であった。また再テスト法による安定性は25項目合計がr=.834(p<.01)、下位尺度はr=.856~.650(p<.01)であった。一方2つの関連尺度との相関をみた結果、EAT-26+ EDIではr=.544(p<.01)、自尊感情尺度ではr=‐.531(p<.01)であった。以上の結果から、多次元摂食障害傾向尺度は、内的整合性と安定性の双方から十分な信頼性を、また構成概念妥当性も備えていることを確認した。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top