主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
目的 家庭科教員の養成の立場からの提言では、家庭科教育において不得手な分野の少ない力のある教員を養成するための改善策があげられている。児童・生徒や教員の職場環境などを取り巻く種々の教育課題に対応した教員養成に対し、教科内容学の深化は一層重視されるべき視点と捉えられる。本研究では、小学校教員養成における家庭科の授業実践力の向上を目指し、模擬授業の省察から学生が抱える課題を捉え、家政学の視点における課題の分析を行った。
方法 初等家庭科教育法を受講した学生を対象に、模擬授業として受講生全員が10分間のマイクロティーチングを実施した。受講生は事前に学習指導案、学習展開案、板書計画を提出し、当日は児童役として授業を受け相互評価を行った。授業後は、相互評価を元に、4つの観点に基づき行った省察を分析し、課題を抽出した。
結果 「教材・学習課題」の観点では、衣服の清潔と洗濯の内容では、「体操服で導入したことは身近に感じられた」一方で「めあてが難しく感じられた」と評価し、「学習展開案とはかなり異なった意見に戸惑った」ことを原因としてあげている。また、1食分の献立を考える内容では、「実施しやすい単元かと思ったが実際にしてみると難しかった」と評価し、「内容自体はそれほどでもないが、どのように説明や発問をすれば良いか難しかった」ことを原因にあげている。教材の内容の深化により学習展開に予測が立てやすくなることに対する課題が示唆された。