主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
農作物に被害を与える要因としてハダニ類が挙げられる。ハダニ類の中でもナミハダニ(Tetranychus urticae)は900種以上の植物に寄生する害虫として知られている。ナミハダニは、主にマメ科作物や果樹などの葉の裏面に寄生して吸汁することにより褐変や落葉などを引き起こす。またナミハダニは薬剤に対して耐性が発達しやすく、防除が困難という点も問題となっている。これよりナミハダニを制御可能であり、なおかつ安全性の高い薬剤の創出が求められている。そこで本研究では多分岐型高級脂肪酸に着目し、ナミハダニに対する防除効果について検討を行った。研究に使用した多分岐型高級脂肪酸は日産化学工業株式会社製のファインオキソコールRを使用した。殺ダニ試験の結果、多分岐型高級脂肪酸はナミハダニし対し高い殺ダニ効果を示すことが明らかとなった。また、各殺ダニ試験の結果より、全てのサンプルにおいて、スプレー散布法による殺ダニ試験の方が、葉片散布法による殺ダニ試験よりも高い殺ダニ効果を示した。また殺ダニ効果の濃度依存性について調べた結果、イソステアリン酸が0.31 %(v/v)の濃度においても補正死亡率100 %と最も高い殺ダニ効果を示した。これより、イソステアリン酸の新規ダニ防除剤としての有効性が示唆された。