一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-166
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ポスター発表
分岐型高級脂肪酸によるヤケヒョウヒダニの防除
*丸岡 明希好田 年成森田 洋
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抄録

目的 チリダニは生体や糞、死骸がアレルギーの原因となることが知られている。近年使用されているダニ防除剤には人体への影響が懸念されるものもあり、効果が高く、かつ毒性の低い新規ダニ防除剤の創出が望まれている。そこで本研究では分岐型高級脂肪酸に着目し、チリダニの一種であるヤケヒョウヒダニの防除効果について検討を行った。
方法 分岐型高級脂肪酸は日産化学工業(株)製のファインオキソコールRを使用した。殺ダニ試験法は黒い布(45×45 mm2)の上にアース製薬(株)より分譲を受けたヤケヒョウヒダニの成虫30 匹を放虫し、サンプル100 μLを滴下後、接触24 h後に致死判定を行った。忌避試験法は黒い布の1/4区画にサンプル100 μLを滴下し、6 h保存後、1/4区画に成虫30 匹を放虫し、接触3 h後にダニの残数をカウントした。
結果 イソパルミチン酸K、イソステアリン酸、イソステアリン酸N、イソステアリン酸Tがヤケヒョウヒダニに対し高い防除効果を示した。その中でも特にイソパルミチン酸Kが最も高い防除効果を示した。また、イソパルミチン酸Kの最小殺ダニ濃度と最小忌避濃度を検討した結果、3.2 %の濃度においても殺ダニ効果が一般的な判定指標である50 %を上回り、忌避試験の結果、生ダニのほとんどが薬剤から逃避することが明らかとなった。以上のことから、イソパルミチン酸Kのヤケヒョウヒダニに対する新規防除剤としての利用可能性が示唆された。

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