一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-168
会議情報

ポスター発表
脂肪酸類の室内カビに対する抗真菌効果
*西村 穂乃果森田 洋好田 年成
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 室内環境を汚染するカビの1つにCladosporium属菌が挙げられる。風呂場のタイルや食品の汚染・劣化を引き起こすだけでなく、ハウスダストアレルギーや日和見感染症などのヒトに対する健康被害を引き起こすことでも知られている。そこで本研究では脂肪酸類に着目し、Cladosporium cladosporioides に対する抗真菌効果について検討を行った。
方法 脂肪酸類は直鎖脂肪酸塩と多分岐型高級脂肪酸(ファインオキソコールR、日産化学工業株式会社製)を使用した。菌株はCladosporium cladosporioides NBRC 30314を用いた。抗真菌試験法は、サンプルと胞子懸濁液を1:1の割合で10分・60分・180分接触させたものをポテトデキストロース寒天培地に塗布・培養後にコロニーカウントにより生菌数を測定した。
結果 直鎖脂肪酸塩であるカプリル酸カリウム、カプリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ミスチリン酸カリウムは10分で4オーダー(99.99%)の高い抗真菌効果を示した。また脂肪酸塩の炭素鎖の長さが抗真菌効果に影響を与えることが示唆された。一方で多分岐型高級脂肪酸のイソパルミチン酸K、イソステアリン酸はほとんど抗真菌効果を示さなかったが、いずれもカリウム塩にすることにより10分で4オーダー(99.99%)の高い抗カビ効果を示した。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top