一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-170
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ポスター発表
きのこの放射性セシウムの実態
*影山 志保広井 勝束原 史華緑川 洋一諸岡 信久
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抄録

目的 2011年東日本大震災以降、福島県郡山市にある本学は放射線測定施設を整備し、放射線に関する専門知識や技術を導入した教育と地域の食品や農産物、環境試料などの放射能分析を行っている。今回の発表では、2013年から2016年に本学で測定したきのこのセシウム濃度を報告する。
方法 きのこの産地と試料数は福島県1587、宮城県57、栃木県52、岩手県および埼玉県8、青森県および富山県1の合計1710であった。きのこは付着した土壌等の汚れを落とし、0.5cmの正方形に切り、専用の測定容器に詰め放射線の分析試料とした。放射線の測定はオートガンマカウンター(パーキンエルマー)を用い、60分測定した。結果はセシウム134とセシウム137の合算値で示した。
結果 福島県のきのこの放射性セシウムの最大値は、2013年は飯館村産アミタケで33,003Bq/kg、2014年は相馬市産のムラサキアブラシメジモドキで35,456Bq/kg、2015年は飯館村産のコウタケで62,963Bq/kg、2016年は飯館村産のムラサキアブラシメジで11,399Bq/kgであった。また、きのこの放射性セシウムの平均値は2013年が1,631Bq/kg、2014年が2,040Bq/kg、2015年が2,858Bq/kgおよび2016年が1,583Bq/kgであり、東日本大震災以降年数が経過してもきのこの放射性セシウムに大きな変化が認められなかった。

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© 2018 一般社団法人 日本家政学会
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