一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2K-06
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口頭発表
グルテンフリー米粉蒸しパンの製パン性と保存性に及ぼす熱応答性キシログルカンの影響
*久田 華奈江土岐田 佳子藤井 恵子
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抄録

目的 米粉を用いたグルテンフリー製品は、食料自給率向上や小麦アレルギー対応食として有効と考えられているが、製パン性の悪さやデンプンの老化による硬化が問題点である。本研究では、グルテンフリー米粉蒸しパンに熱応答性キシログルカンを添加し、製パン性及び保存性に及ぼす影響について検討した。
方法 基本材料として米粉、砂糖、食塩、油、ベーキングパウダーを用いて蒸しパンを調製し、コントロールとした。これに熱応答性キシログルカン(MTG)、タマリンドガム、キサンタンガムを1%の割合で添加した。焼成後25℃で1時間放冷したのち、25℃、RH65%の環境下で0~3日間保存し、比容積、気泡径、破断特性、X線回折による老化特性を測定した。さらに官能評価を行い、保存性に及ぼす増粘多糖類の影響を食味特性から評価した。
結果 増粘多糖類を蒸しパンに添加すると比容積及び気泡数が増加した。破断特性は、保存1日目までは破断応力、破断エネルギー、初期弾性率の値にほとんど変化はなかったが、2日目以降、MTG添加試料がコントロールよりも低値を示し、増粘多糖類添加の中で最も保存中の硬化が抑えられていた。X線回折による老化評価では、保存日数が経過するほど増粘多糖類の違いは顕著となり、3日目においてMTG添加試料が最も老化抑制効果を示した。2日間保存した試料についての官能評価では、嗜好型においてMTG添加試料は全ての項目で有意に好ましいと評価された。

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