一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2K-09
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口頭発表
炊飯方法の違いによる低たんぱく米のおいしさに与える影響
*田中 隆介野原 千明深澤 春乃峯木 眞知子
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抄録

【目的】慢性腎臓病の食事管理は、病態に応じてたんぱく質、塩分、リン、カリウムなどの摂取量の制限である。また、たんぱく質が体内でエネルギーとして利用されないために、十分なエネルギーの確保が必要である。主食を低たんぱく米にすることは、良質とされる動物性たんぱく質を多く利用できるようになるため、食事療法として効果的である。一方で、低たんぱく米はにおいと味に課題があり、調理方法も普通米と異なる点もあると報告した1)。本研究では、炊飯方法の違いが、低たんぱく米のおいしさに影響するかを検討した。
【方法】市販されている低たんぱく米を用いて、3種の炊飯方法(スチコン、電気炊飯器、IH圧力炊飯器)で比較した。低たんぱく炊飯米の特性は、米粒の大きさ、炊き上がり重量、テクスチャー、色度を測定し、順位法による官能評価(パネル:本学学生35名)を行った。
【結果】炊飯米のかたさと凝集性は、IH圧力炊飯器、スチコン、電気炊飯器試料の順に高かったが、有意差はみられなかった。炊飯米の官能検査では、香りの強さはスチコン試料が弱く、IH圧力炊飯器試料が強かった。総合評価は、スチコン試料とIH圧力炊飯器試料が、電気炊飯器試料より好まれた。スチコン試料は、においと味が好まれたことが、総合評価に影響した。調理方法の工夫によって、おいしさを向上することに繋がる。
[文献]田中隆介ら;日本食品科学工学会誌,64,p.365-372(2017).

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