抄録
75歳以上後期高齢者(後期群)の肩腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術の治療成績を報告する.65歳から74歳未満の前期高齢者(前期群)の治療成績と比較した.鏡視下に一次修復可能であった71肩/26肩(前期群/後期群)を対象とし,手術時平均年齢69.6歳/77.9歳,術後最終MRI検査時期は平均13.5ヵ月/16.3ヵ月で,JOAスコアと挙上角度,術前の棘上筋腱の脂肪浸潤と術後修復状態をMRIで評価し,合併症を調べた.JOAスコアおよび挙上角度は各群とも有意に改善したが,前期群と後期群の術後結果に有意差はなかった.再断裂は16肩(22.5%)/5肩(19.2%)で両群間に有意差はなかったが,両群共に手術時の断裂サイズが大きく,棘上筋腱の脂肪浸潤の割合が高いほど術後の再断裂率が高かった.手術時にアンカーが逸脱したのは5肩(7%)/2肩(8%)で術後せん妄や感染例はなかった.
75歳以上の後期高齢者でも鏡視下に修復を行える例では前期高齢者と同様に良好な治療成績を得られた.