抄録
一次修復困難な腱板広範囲断裂に対しミニオープンを併用した上方関節包再建術を施行した症例について術後の治療成績を検討した.2011年 ~ 2013年までに上方関節包再建術を行った一次修復困難な肩腱板広範囲断裂14肩を対象とし,日本整形外科学会肩関節治療成績判定基準(JOAスコア),術前後の肩可動域,MRI所見を検討した.JOAスコアは術後有意に改善した.自動可動域は有意差を認めなかった.術後MRI 検査により再断裂群と非再断裂群に分け,JOAスコアを比較したところ両群間に有意差を認めた.上方関節包再建術は上腕骨頭の上方の安定性が得られ,肩関節を求心位に保つことができる.そのため,再断裂を起こさなければ症状や肩関節機能の改善が期待でき,一次修復不能な腱板断裂症例に対する治療方法として有用と考えられた.