抄録
我々は,変形性肩関節症の治療の第一選択として2004年より第3世代の機種を用いた全人工肩関節置換術を行い,種々の手術手技の工夫と早期リハビリテーションを行ってきた.本研究の目的はその中期成績を調査することである.対象はOA肩8例10肩で,手術時平均年齢72.7歳であった.術後2週間外転枕固定を行い,ドレーン抜去後より積極的に可動域訓練を開始した.各症例に対しJOAスコア,肩関節可動域,単純X線でルースニング,ルーセントラインの有無を調査した.平均経過観察期間は72ヵ月であった.JOAスコア,関節可動域は術後著明に回復し,X線画像上4肩(40%)でグレノイドコンポーネントのルーセントラインを認めたが,ルースニングを認めた症例は無かった.グレノイドコンポーネントは,術後5年以上よりX線学的変化が進行していく可能性があり,我々の症例もさらに長期に注意深く観察していく必要がある.