抄録
特発性拘縮肩は保存的治療で自然治癒することが多い疾患であるが,保存的治療でも症状が残存する場合には,手術的治療を考慮すべきである.本研究の目的は,特発性拘縮肩に対する鏡視下関節授動術後経時的な可動域改善の推移を検討することで,術後良好な可動域を得るための指標を決定することである.対象は当院及び関連病院にて,拘縮肩に対し鏡視下関節授動術を施行し術後24週以上の経過観察が可能であった39例であった.術前平均屈曲105度,平均外転91度が術後24週で平均屈曲141度,平均外転130度に改善しており,良好な術後成績であった.術後24週の屈曲角度を基準とし,術後各時点での屈曲,外転,1st外旋角度との相関を検討した結果,術後4週時点の1st外旋と最も強い相関を認めた.良好な肩関節可動域の獲得には,術後4週時点の1st外旋可動域の獲得が重要な指標になると考えられた.