2015 年 39 巻 3 号 p. 634-637
コリジョンコンタクトアスリートの肩関節前方不安定症に対して施行した直視下Bankart-Bristow法(以下OBB法)と鏡視下Bankart-Bristow法(以下ASBB法)術後の可動域を調査し,術式間での改善の差を検討した.Bankart-Bristow法を行ったコリジョンコンタクトアスリートで,6ヵ月まで定期的に経過観察可能であった72例76肩を対象とし,これらをOBB法38肩,ASBB法38肩の2群に分け比較検討した.可動域の推移は1,2,3,4,6ヵ月時に屈曲,外転,下垂位外旋,外転90度位外旋,屈曲90度位外旋の可動域を計測した.可動域は4ヵ月時点で屈曲,外転,屈曲外旋の項目,6ヵ月時点で外転,屈曲外旋の項目でASBB法が有意な改善を認めた.ASBB法は競技復帰時期の可動域改善がより良好であり,アスリートに対して有利な術式と考えられた.