抄録
Latarjet法などの烏口突起移行術では,烏口突起骨片と関節窩前面の骨癒合を得るために関節窩前面に十分な母床が必要となる.本研究の目的は関節窩骨切除率に伴う母床範囲を測定し,Latarjet法に適した骨切除率を検討することである.2回以下の脱臼で,骨性Bankart病変を伴わない9例9肩(男性8例,女性1例,平均年齢18.6歳)を対象とした.CTデータを利用し,VirtualPlace Liberty Lite(Aze Japan)を用い関節窩の3D構築を行い,関節窩に5,10,15,20%の骨切除作製時の関節窩の前額面の長径,短径,面積を測定した.Latarjet法では烏口突起骨片の長軸は20mm程度必要とされており,本結果からは骨切除作製時の関節窩長径が20mmを超えるのは約15%からであった.烏口突起骨片に適合する母床を作製するには15%以上の骨切除が必要であると考えられた.