2015 年 39 巻 3 号 p. 673-677
目的:腱板をfootprint内側に縫着した場合の同部の変化(腱板の再生)を,MRIを用いて追跡すること.
方法:腱板をfootprint内側に縫着した50例につき経時的にMRIを撮像し変化を観察した.手術はDAFF法を用い大結節部にはmarrow ventsを加えた.計測にはMRIのT2の斜位冠状断像を用いた.
結果:術後6か月で腱板が大結節外側まで再生されていた症例は44例88%で,縫着部の状態が術中と同様だったのは3例6%,再断裂は3例6%に認めた.縫着した腱板断端外側部と大結節外側までの距離が約15mm以内であれば腱板が再生する可能性が高かった.
考察:marrow ventsによる幹細胞やgrowth factorが腱板再生のために重要な働きをしている可能性がある.
結論:腱板断端をfootprint内側に縫着した場合でもfootprint上に腱板の再生を高頻度に認めた.