肩関節
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筋腱疾患
骨頭中心を基準とした肩峰外側突出と腱板断裂との関連
三宅 智伊崎 輝昌内藤 正俊柴田 陽三櫻井 真
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2015 年 39 巻 3 号 p. 678-681

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抄録

 肩峰外側突出の大きさと腱板断裂の関連性について骨頭中心を基準とした計測法と従来法で比較検討する.当院で腱板断裂手術をおこなった患者を後ろ向きに調査した.腱板断裂105肩をT群,そのうち完全断裂76肩をTf群,不全断裂29肩をTp群とした.MRIで腱板断裂のない肩関節拘縮患者41肩をコントロール群(C群)とし、単純X線前後像にて,acromion index(以下AI),acromion coverage index(以下ACI),関節窩下縁を通り関節窩面に垂直な線と関節窩下縁と肩峰外側端を結んだ線がなす角(S角),骨頭中心を通る関節窩面と平行な線と骨頭中心と肩峰外側端を結ぶ線がなす角(C角)を測定した.AIとS角はT群-C群間,Tf群-C群間で有意差はなかった.ACIとC角はT群-C群間,Tf群-C群間で有意差があった.骨頭中心を基準とした肩峰外側突出の大きさは腱板断裂と関連性があることが示唆された.

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© 2015 日本肩関節学会
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