抄録
腱板断裂患者において夜間痛による睡眠障害はよく見受けられるが,それに関する報告は少ない.本研究の目的は夜間痛による睡眠障害を多角的に評価し,その特徴を明らかにすることである.
対象は夜間痛を伴う腱板断裂患者66例66肩である.発症前及び夜間痛が最高時点でのアテネ睡眠尺度の各項目(寝つき,中途覚醒,早期起床,総睡眠時間, 睡眠の質,日中の気分,日中の活動性,日中の眠気),総睡眠時間,最長連続睡眠時間,中途覚醒回数,及びVisual Analogue Scale(VAS)について検討した.
アテネ睡眠尺度はすべての項目において最強時の方が有意に高かった.総睡眠時間は6.7/ 5.2時間(発症前/ 最強時)で平均1.5時間短縮し,最長連続睡眠時間も5.8/ 2.7時間と減少していた.中途覚醒回数は0.1/ 2.5回,VASはそれぞれ0.0/ 7.0と有意に増加していた.
夜間痛による睡眠障害は総睡眠時間や中途覚醒など睡眠の量,質ともに低下がみられ,入眠障害を特徴とする原発性不眠症とは異なる特徴を有していた.