2016 年 40 巻 3 号 p. 916-919
鏡視下腱板修復術後の夜間痛の強度を継時的に評価しその変化を検討したので報告する.鏡視下腱板修復術症例72肩の術後14日間のp-VASの継時的変化を調査した.全経過中を通して夜間痛が不変であったものは13肩,減弱したものは31肩であった.減弱した後に増強を認めたものは4肩,経過中に術直後より夜間痛が増強したものを5肩に認めた.術後5日までに急減したものは19肩,うち13肩は急減後に疼痛不変,1肩は減弱,5肩は増強した.全72肩中14肩で経過中に夜間痛の増強を認めた.疼痛増強群とそれ以外の群を比較すると,断裂サイズにおいてのみ有意差を認めた.その他の患者背景,修復法,再断裂の有無には有意差を認めなかった.鏡視下腱板修復術後の夜間痛は全体では減弱していく傾向にあるが,個々の症例では疼痛が経過中に増強するものもあり,個々に応じた疼痛コントロールが必要と考えられた.