2016 年 40 巻 3 号 p. 976-978
肩腱板損傷に対するMini-open法(以下MO)と鏡視下腱板修復術(以下AR)の治療成績を比較検討した.対象は術後1年以上経過した91肩でMO群は35肩,AR群は56肩であった.JOAスコアはMO群で術前65.0±9.6が術後93.0±6.3に改善し,再断裂を20%に認めた.AR群では術前65.9±7.9が術後94.0±5.8に改善し,再断裂を21%に認めた.両群とも合併症は認めなかった.両群間の治療成績と再断裂率に有意差はなかった.ARを開始した初期の症例や断裂が大きい症例でMOへ移行する事が多かった.諸家の報告によると両群の治療成績には有意差がないとする報告も多く,術中判断でMOに移行する事も有用と考えた.MOとAR共に術後JOAスコアの改善を認めたが,両群間で明らかな有意差は認めなかった.