肩関節
Online ISSN : 1881-6363
Print ISSN : 0910-4461
ISSN-L : 0910-4461
筋腱疾患
肩甲下筋腱断裂例に対するLHBアンカーリング法の術後長期成績
畑 幸彦石垣 範雄小林 博一
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 40 巻 3 号 p. 979-982

詳細
抄録

 肩甲下筋腱断裂に対するLHBアンカーリング法の特徴を明らかにする目的で術後長期成績を調査した.術後10年以上を経過したlarge tear以上の症例(follow-up rate:78.5%)のうち,LHBアンカーリング法を行った27肩(L群)とそれ以外の51肩(対照群)の2群間で比較した.病歴と断裂サイズ,術前の肩関節機能は2群間で有意差がなかった.術後10年の外旋筋力はL群が対照群より低下していた.術後10年のUCLA scoreは諸家の報告と比較して遜色はなかったが,L群が対照群より低かった.cuff integrityは,両群とも術後10年が術前より有意に改善していたが,術後10年ではL群が対照群より回復が有意に劣っていた.脂肪浸潤は,両群とも術後10年が術前より有意に悪化しており,術後10年ではL群が対照群より有意に悪化していた.LHBアンカーリング法施行時には後方腱板の修復をもっと広範囲に行うことが重要であると思われた.

著者関連情報
© 2016 日本肩関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top