2017 年 41 巻 2 号 p. 473-476
腱板断裂症例を肩関節評価法およびshoulder 36を用いて比較検討したので報告する. 対象は腱板断裂の診断で加療した125例139肩で,保存治療群(保存群)と手術治療群(手術群)の2群に分類し調査した.調査項目は①病歴,②肩関節可動域,③Shoulder 36,JOA scoreおよびUCLA scoreを用い,2群間で比較した.
病歴は,手術群が保存群より年齢は有意に若く,外傷歴は多く,経過観察期間は短かった.最終診察時では,肩関節可動域は,C7 thumb distance以外の方向で手術群が有意に大きかった. Shoulder 36では,すべてのドメインで手術群が有意に点数が高かった.腱板断裂治療で,保存群および手術群ともにShoulder 36で,比較的点数が良く,QOL評価としても有用であると思われた.