肩関節
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筋腱疾患
鏡視下transosseous with bone trough法の骨溝と骨孔の術後変化
永田 義彦藤原 祐輔糸谷 友志岩崎 洋一望月 由
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2017 年 41 巻 2 号 p. 523-527

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抄録

 肩腱板断裂に対する鏡視下transosseous with bone trough法では,大結節に骨溝を作成し経骨孔法で腱板を縫着する.本研究では,骨溝と骨孔の術後形態変化を経時的に評価することを目的とした.本術式後にCT検査を術後2週,5あるいは6週,3,6,12ヶ月で行い,再断裂を認めなかった22肩を対象とした.平均年齢は67.9歳,男性8肩,女性14肩であった.CT画像で骨溝の深さと幅,大結節側面の拡大した骨孔の深さを計測し,術後2週と術後12ヶ月で0.5mm以上変化したものを対象に経時的変化を統計学的に検討した.骨溝の深さは術後12ヶ月で平均1.33mm増大し,早期の変化が大きく,骨溝の幅は骨孔の拡大に起因し平均2.05mm外側へ拡大し,いずれも術後3ヶ月まで有意に増大した.大結節側面の骨孔の深さは平均1.50mm増大し,術後6ヶ月まで有意に変化した.骨溝の深さや幅は術後3ヶ月まで変化し,大結節側面の骨孔の深さは術後6ヶ月まで変化し,腱板にかかった縫合糸の動きや張力の影響が考えられた.

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© 2017 日本肩関節学会
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