抄録
投球肩,肘障害で受診した選手における胸郭出口症候群(TOS)の潜在度,臨床的特徴を調査し,投球に対する影響について検討した.1年6ヶ月間に投球肩,肘障害で外来受診した420例(男387例,女23例,平均年齢17歳)を対象とした.小学生102,中学生141,高校生93,大学生63,社会人21例であった.鎖骨上窩または肋鎖間隙の圧痛を有しWrightおよびAllenテスト陽性をTOSとした.肩,肘障害のTOS合併率,TOS症例の年齢分布を算出,原テストのCombined abduction test,Humerus flexion test,肩挙上筋力低下,SulcusサインをTOS有無の2群間で比較した.TOSを48.1%に認めた.小学生18.8,中学生33.1,高校生27.2,大学生15.8,社会人10.4%であった.挙上筋力低下,SulcusサインをTOS有群で有意に認めた(χ2検定,p<0.05).TOSは投球障害に多く潜在し,投球障害への関与が危惧された.