2017 年 41 巻 3 号 p. 679-682
ラグビー選手における反復性肩関節脱臼に対して鏡視下Bankart修復術(ABR法)のみを施行した群と,ABRに加えてHill-Sachs Remplissage(HR法)を施行した群の術後成績を比較検討した.対象は2004年1月から2015年3月までに当院にて反復性肩関節脱臼に対して,鏡視下手術を施行したラグビー選手90人92例とした.ABR法のみ施行した51人52例をA群,ABR法に加えてHR法を施行した39人40例をR群とした.最終診察時の肩関節可動域(屈曲,下垂位外旋),術後再脱臼の有無について検討した.最終診察時肩関節可動域は屈曲,下垂位外旋ともに有意差を認めなかった.術後再脱臼はA群5例(9.7%),R群1例(2.5%)であった.以上からラグビー選手における反復性肩関節脱臼に対してHR法を加えたABR法は術後有意な可動域制限を生じることなく再脱臼率を改善させた.