抄録
一次修復不能な広範囲腱板断裂に対する大腿筋膜パッチ法の臨床成績をまとめたので報告する.対象は,2010年~2015年までに大腿筋膜パッチ法を施行した広範囲腱板断裂17肩(男14肩,女3肩)で,手術時年齢は55歳~80歳(平均65.1歳)であり,手術は鏡視下法9肩,ミニオープン法(パッチと大結節の縫合のみ直視下)4肩,直視下法4肩であった.パッチの厚みは,1重が12肩,2重が5肩で,パッチと大結節との縫合は,single rowが11肩,double rowが6肩であった.全例術後1年時のJOAスコアとMRIによるcuff integrityを菅谷分類で評価した.JOAスコアは術前平均61.6 ± 10.9(SD)点から81.2 ± 10.2(SD)点へ有意に改善した(p<0.01).菅谷分類は,type1: 5肩,type2: 6肩,type3: 2肩,type4: 3肩,type5: 1肩であり,再断裂(type 4, 5)は4肩(23.5%)に認めた.非再断裂群と再断裂群の間に臨床成績で有意な差は認めなかった.また,再断裂に影響する因子を検討したが本研究では見いだせなかった.