抄録
女子小学生の野球選手の身体特性や可動域についての検討を行った.対象は2015年度に当院で行った野球検診を受診した軟式野球連盟所属の6歳から12歳までの小学生で1960名の選手について体重や身長,経験年数と関節弛緩性の評価を行い,肩,肘関節の可動域の男女差について比較検討した.女子選手は86名で全体の4.4%であった.関節弛緩性は9歳,10歳時に男女差を認めた.肩,肘関節の可動域は全年齢で男女差を認めなかった.男子選手では8歳から投球側と非投球側の肩の可動域制限を認めており,9歳以降では肘の伸展,屈曲にも有意差が出現する.しかし,女子選手では同様の差が認められたのは11歳時のみであった.この現象がみられる年代は関節弛緩性に男女差があった年代であり,その有意差が肩関節の可動域に影響を与えている可能性がある.また野球を行っている女子選手では身長,体重が男子選手とほぼ同じでこの年代に特徴的な体格差を認めなかった.