抄録
本研究の目的は,原テストと投球時肩痛との関連を検討することである.投球時肩痛のため投げることの出来ない野球選手25人と肩と肘に痛みを認めない野球選手44人における原テストの結果を比較検討した.投球時肩痛を認める選手における原テストの総合点数は4.8点(1~7点),痛みのない選手では9.5点(5~11点)であり,統計学的に有意差を認めた.前方への関節不安定性以外の10項目において投球時肩痛を認める選手の陽性率は痛みのない選手に比べて有意に高かった.これらの結果から,原テストの11項目のうち肩甲骨の位置異常と安定性の低下,後方タイトネス,筋力低下,肩峰下インピンジメント,インターナルインピンジメントは投球時肩痛に関連を認め,その結果として投球時肩痛を認める選手における原テストの総合点数は低くなった.総合点数が7以下の場合は投球することができなくなる危険性があり,注意を要すると思われた.