抄録
リバース型人工肩関節置換術(RSA)では関節窩コンポーネントはスクリューにより固定されるが,術後のゆるみを防ぐためには確実なスクリュー固定が不可欠である.一方,スクリューが骨外に突出すると関節窩周囲を走行する神経や動脈を損傷する可能性がある.そこで,RSA20症例の関節窩コンポーネントの上下方固定用スクリューの長さと挿入角度,および症例の体格と関節窩サイズを検討し,スクリュー突出があった症例となかった症例で比較した.上方スクリューは4例で,下方スクリューは1例で突出していた.上方スクリューの刺入角度と長さはスクリューが骨外に突出することに影響は与えていなかった.上方にスクリューが突出した4例の体格と関節窩サイズは,突出していなかった16例と比べるといずれも有意に小さく,体格と関節窩サイズの小さな症例ではスクリュー設置は慎重に決定する必要があると考える.